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執筆者の写真中島未来

<感情を抑制する弊害>



あなたは「廃人」になったことがありますか?


心が死んでいるように何も感じず、目の前に広がる景色は、その言葉通りの灰色。口をついて出る言葉は「死にたい」ばかり・・・



私は一度、そんな「廃人化」したことがあります。

2004年の頃でした。



自分が生まれ育った祖国をさながら捨てるように、

2度と戻ってこないつもりで海外へ。


孤軍奮闘しながらも、結局は現地で知り合った沢山の素晴らしい人たちに助けられ、それでも、夢破れて悲壮な帰国。



当時は、心を海の向こうに置いてきてしまったというか、自分の身体の中に心が入っていないような感覚。



何の希望も見出せず、何もしたくなく、毎日ほぼタバコとお酒だけを摂取していて、2週間で何キロも体重が落ちました。



目の前には色のないグレーの世界が見えるだけでした。



何とか数ヶ月後にはこの状態から脱することが出来るのですですが、脱することが出来たことで、当時のことは本当に貴重な経験になりました。



廃人はオーバーですが、実はこれに近い状態に陥っている人は、結構沢山います。



例えば、自分の気持ちを上げようと、色々なことをやってみるのだけど、どうしても心から楽しいという気持ちになれない。



楽しいという気持ちだけではなく、悲しいとか、怒りもあまり感じなくなっていたり。



これには、段階的な理由があります。



私たちは、自分にとって好ましい感情(楽しい、嬉しいなど)は積極的に感じたいと思っています。逆に、好ましくない感情(苦しい、悲しい、悔しいなど)は感じたくなく、感じないようにしたり、その感情を抑え込んでしまったり、なかったことに

しようとする傾向が強い。



好ましくない感情は感じないようにして、好ましい感情だけを感じる、簡単そうに思えますが、実はそうではなく、


結果的に自分の感じる心に全体的に蓋をして、抑え込んでしまう状態になります。



感じるということが鈍ってきて、麻痺して来ると、あらゆる感情を感じられなくなって来ます。心が動かないということですね。



そして、心の動きが鈍って来ると、本来は自分が望んでいた状況に遭遇しても、さほど感情の動きを感じられなくなってしまうのです。



本来、心は意図的にではなく、自然に動かされるもの。

感情をコントロールすることに取り組んで来た人の多くが、この状態、もしくは近い状態になります。



感じたい感情を自分で選り好みしないこと、

これが大切な鍵だと思います。自分で自分の感情をコントロールすることは不自然です。



感情と思考も強く結びついています。

思考や思い込みが、自分が本来感じる感情とは

違う感情を刺激することも起こります。



何も楽しくない、何もやりたくない、生きていても仕方がないと感じる、そんな時は、自分が感情を抑えていないか?と向き合ってみることが必要な時です。



海外帰りで廃人化していた私が復活出来たことには、他にも面白いエピソードがあるので、次回そのことを書こうと思います。







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