<心が動く時>
- 中島未来

- 2019年3月3日
- 読了時間: 2分
春が近づくと思い出すことがあります。
それはツバメたちとのこと。
我が家の近所には数は多くないですが、毎年ツバメが巣を作る場所があります。
自然界も色々あるようで、ツバメの子供たちが巣立つまでに、
巣から落ちてしまったり、飛ぶ練習中に事故に遭い、命を落とす子もいます。
ある時、夫と息子と自転車で出かけようと走り出した時、
一羽のツバメが道路で横たわっているのを見つけました。
近くを歩く人は、あまり足元を見ないようで、
スレスレを通って行くこともあり、見ているだけでハラハラ。
動物の死骸はほとんどの人が苦手だと思います。
私も得意ではないけれど、実家が葬儀屋というのもあるし、
動物も人間と同じように、ちゃんと弔ってあげたいと常日頃思うこと。
そこで、急いで夫と子供に待ってもらい、家にティッシュペーパーと
ビニール袋を取りに戻り、自転車を停めて、
まだ巣立ったばかりの小さな亡骸をそっと拾い上げ、
ちょうど向かっていた公園に埋めてあげようと思っていました。
公園へ向かって自転車を走らせてすぐ、女性に呼び止められました。
その人は「あなた、さっきツバメの死骸を拾ってくれたんですか?」と
聞きます。「そうなんです。これから埋めにいくところです」と答えると、
手頃な石を掴み、彼女の後ろの空き地に穴をガシガシと掘り始め、
「ささ、ここに埋めてあげましょう」と言ってくれて、
息子とその女性と私で土を被せて手を合わせました。
女性は「私もさっき、車で通りかかった時にツバメを見つけて、
取りに戻ろうと思っていたところで電話がかかったので、
電話が終わったら向かうつもりだったんです。」
そして息子の方に向き合うと
「あんたのお母ちゃん(どうやら関西の女性のようでした)、
優しい人で良かったなあ」と言ったのです。
その言葉を聞いた時、なぜだか涙が出てきて止まらなくなりました。
あの時、私は自分と同じように小さな命に心を止めてくれる人が居たことに、
嬉しさがこみ上げてきたのでした。そして、ほんの短い時間、想いをシェア出来たことに感謝で一杯でした。
春が近くなり、ツバメと共に思い出す、あの人の思い出。
人の心が動くとき、それは心と心が触れ合った時だと私は思っています。
この真実を大事にして行きたいと思います。







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